すずわん日記

40代でサラリーマンの限界を感じました。これを良い経験として、この後の人生を楽しく豊かに過ごせるように考えたことを書いていきます。

ITサービスマネージャー合格体験記(4)

2018.5.11 2018.4.3に記載した内容をアップデートしました。
前回は午前Ⅰ、Ⅱの勉強を振り返りました。
www.suzuwan.com

今回は午後Ⅰです。

・・・って、4月は高度情報処理の試験ですよね。

でもITサービスマネージャーの試験は秋期ですので、今からしっかりと準備を行いましょう。まだまだ時間はあります。

午後Ⅰ問題が一番難しい

僕にとっては午後Ⅰが一番の難関でした。

午後Ⅱは設問に沿って自分が今まで経験した環境、運用をカッコ良く文章で書けば良いのですが(簡単ではないですが)、午後Ⅰは与えられた「仮定の環境」を理解するところから始まるからです。
試験時間は1時間30分。多いようですが、問題を読んでいると、実際は時間は足りなくなります。

まずは問題を選ぶ

出題される問題数は3つで、この中から2つを選んで回答します。一つは捨てます。
これが悩ましいのです。

一問に対する文章と設問がA4用紙でそれぞれ5ページほどもあるので自分が答えられる問題はどれか?をいかに早く判断するかがポイントとなります。

自分の経験・スキルでは回答が難しい問題を一生懸命に時間をかけて読んでいると、自分が確実に回答できる問題まで手が回らなくなるからです。

そこで僕は以下のようなやりかたをしました。
各問題文の冒頭は、以下のように始まるのがほとんどのようですので、


「システム移行に関する次の記述を読んで答えよ」
「可用性管理の記述の次の記述を読んで答えよ」
「問題管理に関する次の記述を読んで答えよ」
etc

可用性管理問題管理などのキーワードから問題の大きなテーマ(何が行われるのか?システムの移行なのか、サービスデスクの話なのか?等)をそれぞれ推測しておいて、その後若干斜め読み気味で問題全体を俯瞰し背景と環境をイメージします。
(キーワードを理解するためにもITILの知識を体系的に学習しておくと楽になります)

イメージの結果、例えば以下のような背景だったとします。

 問題1.会社の統合に伴うシステムの統合で処理に変更が生じた
 問題2.データセンタの運用ケースの説明
 問題3.問題管理プロセスと、発生したインシデントについての対応

その場合、例えば過去に自分が少しでも運用で発生したインシデントを、根本的に解決するプロセスの構築や運用に携わったことがあるのであれば、問題3を選択候補にしましょう。
経験しているので書きやすいからです。
また、会社の中でITILが浸透しておらず、問題管理という「言葉」を使っていないとしても、全てITILの言葉(問題管理、変更管理)に置き換えてイメージして考えましょう。ITILに沿っていなくとも、それほど遠いことはやっていないと思います。

問題を捨てる

自分はDBAの知識が弱いため、DBAを主とした問題が出た場合は、最初から捨てる事にしていました。
その方が、確実に解ける問題に取り掛かる時間を確保出来るからです。

逆にインシデント管理、問題管理、変更管理、サービスデスクに関する記述問題は積極的に選択をしました。

このように、自分の強み、弱みを事前に理解しておきましょう。
全てに強いスーパー運用マンには関係のないお話でしょうけれど。

また、当然自分の経験した内容に100%ピッタリの問題などありません。でも自分の経験と、勉強した知識と、また同僚から聞いた話などを交えて、それっぽく書き上げるのもテクニックです。

問題を選ぶ時間も考えて

この「問題を斜め読みする」「選択する」「捨てる」は、自分の中では冒頭の20分で出来るように、と心がけましたが、本番では40分ほどかかってしまった記憶があります。
過去問題を解いて、どれだけの時間で選択出来るかを、もう少し試してみればよかったな、と思います。

実際の問題の内容は?

どの問題を解くかを選んだあとは、問題文をじっくり読みます。問題文では運用の背景や環境、ステークホルダの詳しい説明がされます。

それぞれの問題には設問が3問~4問あり、大体は以下のような「問いかけ」をされる形式です。

・理由をX文字以内で答えよ
(30文字とか50文字とかで)
 
・空欄に入る言葉を答えよ
(30文字とか50文字とかで)

僕は問題文の全センテンスに意味がある、考えて読みました。
問題文は無駄の無いシェイプアップされた文章で、隙なく読めば必ず解答に関わるキーワードを見つける事が出来るからです。
実例ですが、26年秋期の午後Ⅱ問3でデータセンターの運用に関する問題が出ました。(リンクをクリックすると問題のpdfが開きます)

この問題の中ではデータセンターの空調機に異常が発生したケースが書かれていて、具体的には夜の22時にデータセンターの空調機を監視している機器から警告メッセージが出力されたが、マニュアルにはどのように対応するかが書いていなかったのでオペレータは翌日に報告をし、結果としてサーバールームの気温がかなりヤバイ状況になっていた、というお話です。

用意されている設問は、
「オペレータのインシデント対応における問題点を、理由を含めて述べよ」
です。普通の人は、
「警告なんだから、分からないメッセージだったら関係者に連絡して確認すればよいのに」
と考えます。
つまり普通に考えて、文章がおかしければそれを回答とします。

ただこの問題の場合、警告メッセージが「空調機の一つが冷房設定から送風設定に切替え」と、あたかも問題が無いかのようにサラっと書いていますので、焦って読んでいると読み流してしまっているもしれません。ピックアップして読めば当然気づくでしょうけれども。
この辺が全てのセンテンスに意味がある、いうことです。
こういう個所を逃さず捉えていかなくてはなりません。

次の設問では、
「温度の上昇を早期発見するために表示メッセージを改善する場合、改善策を述べよ」
となっています。

通常(・・・という言い方が、経験値から出てくるのですが)、データセンターでは温度管理がされています。
温度基準値については問題の表2に記載がありますが、その前段階、「ヤバイ状況になりそうな気温」の話はどこにも出ていません。
つまり「ヤバイ状況になりそうな気温=閾値」を設けて、これに気づくような運用をする必要があります。

これはセンテンスを逃さないパターンではなく、抜けているセンテンス(単語)を拾うパターンです。読んでいる時には気づかずとも、設問を読んでみると「ハテ、そんな事書いてあったかな?」と、問題文を見直す事になります。その時見つけるのです。

文字数を守ろう

最後に、30文字とか50文字以内で記述しろ、という設問になっていますので、「*字以内」いう言葉に甘えずに、字数はキッチリと満たすつもりで書きましょう。

過去問題の解答例を見ても、極端に少ない解答は無いと思います。

また、前述の表示メッセージの改善策を述べる問題の例のように、必要な言葉が回答に含まれていることが必須で、あとはその言葉をどう使うか?を明確になるように記載しましょう。(前述の例では閾値)

午後Ⅰの勉強方法 まとめ

1.経験から自分の強みと弱みを理解しておく

例えば以下のように、自分の経験を振り返ります。
・システムの変更リリースをしたことがある
→ 変更管理を経験済み

・DBがオーバーフローして障害を起こした
→ キャパシティ管理を経験済み

・ユーザとIT運用の契約を結んだことある 
→ サービスレベル管理を経験済み

どうせ理想的な運用なんてやれっこないので、「近い経験」でよいのです。経験がある事を自分の強みとしましょう。
そして、その強みに近い問題を選択するのです。

2.センテンスを読む。抜けているセンテンスを拾う

過去問題や練習問題を解いて練習します。
最初のうちは絶対に読み漏らしますので、解答を見てそれが問題文中のどの箇所だったかをよく理解してください。そして、忘れた頃にもう一度解いてみるなど何度も反復してください。

3.文字数を守る

当たり前の話ですが、これも過去問題を解いて訓練するしかありません。

自分の場合は、最初に書き上げた文字数は最初はどうしても多めになってしまう傾向がありますので、読み直しをして意味のない言葉や感情が混じったりしてしまう個所を削りながら指定された文字数に形を整えていきました。

どうしても文字数が少なくなってしまう人は、例えば設問で50文字以内を要求されているのであれば、30文字~40文字くらいを狙って書いて、読み直してみる練習をしてみましょう。必ず過不足があるはずです。

ということで概念的な話が多くなってしまいましたが午後Ⅰの振り返りはおしまい。

でも、問題を読む、回答を書く、という訓練は次の午後Ⅱもほとんど同じです。

次回は以下、午後Ⅱの振り返りに続きます。