すずわん日記

40代でサラリーマンの限界を感じました。これを良い経験として、この後の人生を楽しく豊かに過ごせるように考えたことを書いていきます。

自分の「外枠」と「中身」

ほどほどなミニマムがよい

生活スタイルは質、量ともに、ほどほどにミニマムに近づけた方が気持ちが落ち着くんじゃないか?と、ここ1ヶ月ほどで思うようになりました。

理由はワンコとのつつましい平日の連続。

我が家のワンコは分離不安なので、一人で家に置いて出かける事ができません。

なので、平日は家のリビングでワンコと一緒にいたり、たまに軽めの散歩に出かけたりと、ひたすらワンコと向き合った生活をしています。

長期休暇に入って最初の頃は家に一人でいたので、プールに行ったりテレビを見たり、録画した番組を見たりして時間を潰していました。

でもワンコが我が家に来てからは、テレビもつけなくなり、今では多少の本とネットニュースと音楽があれば、何も不自由は無くなってしまいました。

 

平日は素敵

平日の真っ昼間は気持ち良いです。

窓を開けると、季節がらそよそよと草の香りの風が入り、晴れていれば太陽の光がリビングをほのかなオレンジ色に染めます。自分の周りは風の冷たさと陽の暖かさがブレンドされた、心地よい空気でいっぱいになります。

たまにヘリコプターの音や車の音、あとは、どこかからトントンと工事の音が聞こえるだけ。それらの音が止むと静寂がリビングを包みます。

ワンコのゆずを見ると、伸びをしたり、オモチャを咥えてリビングの端で勝手に遊んでいたりします。

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毎日毎日がこんな感じ。

そうすると、人生はこれでいいじゃん、と思ってしまう。

何を背伸びする事なく、欲しがる事なく過ごす日々。

ただ、これは長期休暇中の身だからこそ出来る生活であって、復職したら、また時間に拘束されて、食べていくために自由な時間と健康を会社に売って、生きていかなくてはいけないのです。

 

サラリーマンの悪い癖

サラリーマンでいる以上は、翌月には給与が振り込まれます。

その金額は予測出来るので、そのお金をあてにして、一時的なものが欲しくなったら我慢できずについつい購入し、そして使わなくなる事もしばしばあります。

無駄使いをした、とちょっと反省しても、また来月に給与が振り込まれますので、すぐ忘れてしまいます。

わんこそばでお椀を空にすると、一口分の蕎麦がお椀に入れられるように、小額のお金が毎月振り込まれますので、まぁ来月お金が入るからいいか、と、なります。

でも、もらえる生涯賃金が決まっているのであれば、無駄な支出は少ない方が良いです。

とはいえ、ストイック過ぎる節約もしたくないです。少なくとも、飲む・食う・着る、くらいは、ギュウギュウに締めつけたくないのです。

精神的に良くないので。適度に質素に。

ミニマムな生活、と言っても、ほどほどに、がちょうど良いのです。

 

膨らむ「外枠」

7年ほど前、役職者に昇格し、給料も上がって欲しい車も買えました。なんだか色んな事が上手く回っていて、会社という組織に属するのが楽しくて仕方がなかった時期があります。

その時は、自分が鼻タカダカな所もあり、仕事をサボってやらない人や、頑張っても出来ない人に対しては、憎悪のようなものすら持って見下していました。

この時期、「自分の外枠」が膨らみ始めた頃です。

そして、自分はもっと頑張って、次は部門長クラスになり、もっとグレードの高い車を所有したりしたい、とか、サラリーマンの出世のエスカレーターに乗ったら良い事が色々あるんじゃないか?と考えはじめました。

「外枠が膨らむ=上がっていく収入や地位」に比例して、自分の中身の欲求や見栄も、雪だるま式に増えていきます。

しかも、おそらく無意識のうちにです。この無意識、というのがやっかいかもしれません。

 

ちょうどいい「中身」

そんなさなか、僕はプロジェクトで潰れて休職し、その後に脳梗塞で倒れ、たった2年の間に立て続けに心身にダメージをくらいました。

でも、そのダメージのおかげで、会社の組織やプロジェクトをどう上手く動かすか、という欲求(いま振り返ってみれば、義務感)よりも、妻の心配や、自分の健康を優先的に考える思考になっていました。人として冷静になったようにも感じます。

今では、仕事をやらない人、出来ない人達がどうであろうと関係ない、色んな人がいるのが会社であり社会、と割り切って見ています。

そんな僕だって、今や仕事はガツガツやらない人の仲間入りですし。

考えてみると、仕事が上手く行っていれば、お金と時間を引き換えにして、今ごろもっと傲慢な人間になって別な大事な何かを失っていたかもしれない。

色んな事はあったけれど、膨らみすぎた自我がしぼみ、ほどほどにミニマムな生活に憧れる精神状態になった今が、ちょうど良いです。