すずわん日記

40代でサラリーマンの限界を感じました。これを良い経験として、この後の人生を楽しく豊かに過ごせるように考えたことを書いていきます。

宮本武蔵は健康志向?まさかぁ

「小次郎、敗れたり」

宮本武蔵の有名なセリフです。

巌流島での決闘にわざと遅刻をして、イライラした佐々木小次郎が、刀を抜いて鞘を捨てた時に、小次郎に向かって吐いた武蔵のセリフです。

武蔵から見たら、決闘に勝って帰るつもりのヤツが鞘を捨てるなんておかしーじゃん?だからもうお前の負けね、って事です。

そして小次郎も、ノコノコと遅れて来たヤツにそんな無礼な事を言われたら、さらに逆上すること間違いなし。

でも近年の研究では、武蔵はちゃんと時間通りに巌流島に到着していたのではないか、と先日見たNHKのBSプレミアムの番組「偉人たちの健康診断」で放送していました。

今まで世間一般に知られている宮本武蔵像は、「二天記」と呼ばれる書物に大きな影響を受けています。その中では武蔵はわざと決闘に遅刻をしましたが、「二天記」より古いもう1つの文献「武州伝来記」では、ちゃんと時間通りに着き、接戦の末に小次郎に勝利したという説が有力だという事でした。

で、「二天記」での決闘の記載は、武蔵の書いた兵法書「五輪書」にある「敵をむかつかせる」戦法を佐々木小次郎に使った、として、後世の弟子たちが脚色しちゃったらしいです。

 

健康と武蔵?ちょっと無理があるかな

「偉人たちの健康診断」と番組名にある通り、健康についてもテーマにしていて、その1つがに歩き方です。

剣道では摺り足といって、踵を軽く上げて、つま先を床につけて擦るように移動しますが、武蔵の系統二天一流では、踵から足を下ろして移動します。

この歩き方は躓きにくく、腰や膝への負担が少なく健康によい、と説明がされていました。

巌流島の決闘でも、闘いの場となった砂浜では踵歩きの方が摺り足より移動しやすく、武蔵が有利に試合を運べたから勝てたのでは?と。

逆に伝記では、小次郎は砂浜で躓いたらしいです。

うーん、でもちょっと番組作りの為に、無理矢理かなあ、という感じ。

あと、有名な二刀流について。

両手に刀を持って戦うスタイルですが、番組では利き手と逆の手を使うと、前頭前野が活性化されるので、怒りや焦りが抑制されて自制心と平常心が鍛えられる、とありました。

これもどうかなぁ。武芸の鍛錬としてはアリでしょうけれど、ホントに脳の動きと直結するかなぁ。どうもスッキリと入ってこない番組内容でした。

 

とはいえ、いままで「二天記」という書物をベースにした一般的な知識しかなかったので、多少は頭の中で知識に対する修正がされました。

歴史というのは記録を書いたもん勝ちみたいなところがありますが、辻褄があっていない場合も多くてスッキリしないです。

例えば、大大名の細川家がオフィシャルにセッティングした決闘において、なんでわざわざ足場の悪い砂浜を決闘場所に選ぶのか、とか。

テレビ番組だけでは疑問だらけなので、いつかちゃんとした研究本を読もうと思います。