今さらながらホリエモンの「ゼロ」を読んだ感想
「ゼロ」を読んだキッカケ
日々が仕事に追われていると「自分はこれからどういう人生を送るんだろう」なんて考える時間はなかなか無いと思います。
何かになりたい、と思っても、40歳を過ぎるとそれは手の届かないに夢の世界になっていて、せいぜい宝くじの当選が一番の夢への近道、なんて寂しい事を考えて定年を迎える事を考えてしまいます。
ところが病気になると、そういう人生を真剣に考える時間が生まれます。
これは病気になったせめてものメリットで、こういう事をきっかけにして色々な本を読んだり出会いを経て、人生を切り開く人もいるかもしれません。
僕もそんなことを考えて、ホリエモンの本の1冊に辿り着きました。
やっぱりフツーの人じゃないのかな
ホリエモンこと、堀江貴文氏。
正直、昔はあまり好きじゃなかったです。
正確に言うと、彼の事をよく知らなくて、メディアに露出している部分だけを見て、好きではない、と判断をしていました。
端的に言えば、中身のない、金の亡者のラッキーボーイかな、と。
でも本を読んだら、相当に失礼な先入観でした。
中学校時代からプログラミングに目覚めて、早朝から新聞配達をして自分で貯めたお金で高額なパソコンを買い、さらには機械語まで独学で勉強をして、それに喜びを感じてる。
そして中学生なのに塾の講師経由でプログラムの仕事を引き受け、無我夢中でやりとげて「働く」ということに目覚めていく。
彼は僕と同い年です。
先日、高校時代にゲームをしながらテスト勉強をした、なんてブログを書きましたが、堀江氏は真逆です。自分でゲームを作りたかったんですね。しかも中学生で。
好きな事をやる、という事
僕が冒頭に好きではない、と書いたように、彼は誤解を受けやすいという悪い面もあります。でも、誤解を受けても自分のやりたい事をやり、失敗を恐れない事が彼の能力や知識云々以前に持っているパワーなのだと感じました。
結果、彼はライブドアの事件と刑務所を経てスッカラカンになった今も、好きなことをやり続けています。
先日のR25のインタビューでも、
「好きな事をやればいいんじゃないの?お金無くてもいいじゃん」
と、ツッケンドンなスタンス。
昔の僕であれば「まーた何か偉そうに言ってるよ」と冷笑したでしょうけれど、今なら彼の言いたい事はなんとなく分かります。
好きな事が仕事になるか?
振り返ると、サラリーマンでもやりたい事に没頭している人がたまにいます。
ITに関わる職場でも、PCをセットアップする手法にトコトンこだわったり、とにかくプログラムを組む事に明け暮れる、職人的な作業が大好きな人たちです。
でも会社という組織は、ある程度歳をとるとマネジメント能力を求められ、やれ主任だ、とかやれ課長だ、とか、職人さんが目指したい方向とは違ってきます。
中には役職と権限を手に入れて、もっと大きな仕事をやりたい、という人もいると思いますが、前述のサラリーマン職人の人たちはそういう思いには、なかなか辿り着けません。
で、そういう人たちへの会社の扱いは、冷たくは無いですが暖かくもない。
そりゃそうです。職人を評価するのであれば技術レベルがどの程度か、って事も大事なポイントだけれども、明確にそういう評価基準を持った企業は少ないように思えるので。
結果、独立できるくらい凄い人であれば目立つので会社はそもそも放っておかないし、とっとと会社に見切りをつけて辞めてちゃう人もいるでしょうし。
反面、辞めなくても安定した会社環境で、それなりの技術を仕事の中から得られて、好きな事がやれている人もいます。それはそれで幸せなはず。ある意味でサラリーマンの完成形かもしれません。
小さなコトからコツコツとやる
話が少しズレましたが、とにかく堀江氏の言う自分のやりたい事をやれ、というのは大賛成。
会社に行って、やるべき事をやって帰って来るだけの毎日に、そういうスパイスはどこかに入れるべきです。
ふと思いしたのは、ドラえもんの1シーン。
昔、ある日のび太くんが張り切って日記を書き始めたけれど、数日後には飽きてしまって、フェードアウトしていました。こんな感じに。
「朝起きて、昼寝して、夜寝た」
「昨日と同じ」
ここから先が続かない。これですよ、これ。
今の生活にやりたい事を入れないと、メリハリも無くこうなっちゃう。
普段、何か「あれをやりたい」と思っていても、最後はそれをやるか、やらないか、だけが変われるか変わらないかのミソです。
小さい事でもやりたい事をやって、成功体験を積み上げて自信をつけていく。この積み重ねを本の中では、ゼロにイチを足していく、という表現をしていました。
さらにはやりたい事をやっていれば仕事になる、なんて別な本で書いています。
ホリエモンはいつも暴走しているように見えますが、掛け算では無く小さな足し算を積み重ねる努力家なんだな、と多少なりとも親近感を覚えた一冊でした。
と、ホリエモンを褒めましたが、芸人やスポーツ選手を好きになるように、どうもまだ彼を好きになれない。スゴイと思うし、感性は尊敬するのですけど。