社会に戻る
通勤訓練が終了
約2ヶ月ぶりのブログ更新です。
この2ヶ月間は、産業医に指示された通勤訓練を淡々とこなしていました。そして昨日、産業医と月に一度の面談をして復職の許可をもらい、やっと今日から復職です。
通勤訓練の間は、どうにもこうにもブログを書く気力が起きませんでした。
文章を書くのは好きだけれども、そもそもブログ書き始めたのは、ウツ症状で混乱している自分の頭の中を整理したり、言外に会社や社会を批判したりと、色々なアウトプットをしたい、という欲求がきっかけでした。でも、通勤訓練をやり始めると、全くそういう要求が起きなくなったのです。
時間が溶ける
逆に、産業医から勧められた図書館通いに熱心になってしまい、大昔に途中まで読んで諦めたグイン・サーガや、いつか読もうと思ったけれど手付かずだった山崎豊子の大地の子、白い巨塔などを読み漁っていて、読書にかける時間が増えました。
本を読むスピードは元々遅いのですが、冷静に自分を観察してみると、文字を目で追っているうちに違う事を考え始めてしまい、本の内容が全く頭の中入って来ずに何ページかが過ぎてしまい、また前のページに逆戻りをし、何度何度も読み直している癖に気づきました。
こりゃなかなかページが進まないわけです。
そして時間ばかりがかかる。
子供の頃から、おっちょこちょいとか注意力散漫、とか親や担任の先生に散々言われ続けていますが、40も半ばを過ぎても変わらない自分にちょっと呆れます。
まぁ、それはそれ。本にかける時間以外では、スマホのゲームで時間を費やしてしまいました。
上記のリンクの文章では、時間が溶ける、なんて表現をされていますが、本当にそうです。
これはやっちゃダメ。ダメだけど面白い。
そんなこんなで、時間を消費しているうちに、あっと言う間に2ヶ月が経ちました。
ウツは治ったのかな?
長期休暇は約半年。
振り返ってみると、頭がパニック状態だった始めの頃と、通勤訓練をしたり、その後で復職を果たした今では精神状態が全く違います。
休み始め、頭痛や頭の中が真っ白になる状態に加えて、会社との関わりが薄くなったと感じてしまい、会社というガードが外れて社会の中でポツンと漂っている自分がとっても頼りない事に気付き不安でした。
もし自分がこのまま会社に属す事が出来なくなったら、組織に頼らず自分の力でお金を稼いで、妻と二人で食べていかなくてはなりません。
そして、会社に属していたとしても、これから今の会社がどうなるかなんて分からないし、定年退職後も、資産の蓄えに加えて自分の力で稼いでいかなくてはならない状況になる可能性も高いです。そういった危機感は今でも変わりません。
でも今は、通勤訓練中に出会って「どうしたの、心配してたよー」なんて言ってくれる人達がたくさんいる事に気づき、その人達の元、つまり守られ感満載の会社にまずは戻るんだな、と、シミジミと感じています。
危機感を持ち、今までの漫然とした安心感に対して少しだけ認識を改めて社会に復帰する。
そして無理をしない。
これからはそんな日々を目指していきます。
みんながいる場所に戻る
折しも、二、三日前に前の職場の後輩からメールがありました。
数年前に彼の親御さんが亡くなられた際、会社側の手続きを調べてやってあげたり、彼のプロジェクトが二進も三進もいかなくなった時に手を貸して、なんとか完遂させてあげた後輩です。
その彼が、今また大変なプロジェクトを任されたらしく、今回僕がウツで休んでいると聞き、とっても体調が辛いので産業医に相談をした方がよいでしょうか?という悲鳴にも似た内容のメールを送ってきました。誰にも相談出来ないので、僕に相談したい、との事。
その後輩に対しては、それはおそらく病気なのだから、早急に病院に行って休みなさい、そして決してもう少し頑張ってみます、なんて絶対に口にしない事。個人事業主なら休んだら大変だけど、サラリーマンの会社の仕事なんて、誰かが代わりにやるから絶対に大丈夫。まずは健康ではない状態を作り出す状況から離れて、とアドバイスをしました。
そんな内容のメールを返信した後に、今まで大した事をしていないと思っていた自分が、実は気づかないうちに誰かに感謝されるような事をしていて、そしていざという時には頼る相手として認識されていた事に、少し驚いています。
ウツで落ち込んだ時はそこにいる事さえ嫌だったけれども、それでもそこには助けたり助けられたりする仲間がいました。復職する事はそういう場所に戻るんだ、と考えると今は苦ではありません。
そして、支えてくれたのは妻。自分の仕事も大変なのに、全力でサポートしてくれました。
もし独り身だったらどうなってしまったんだろう、と考えると空恐ろしくなります。それほど大きな力になってくれました。
感謝感謝。。。
今日から、何となく厳しい社会から防波堤のように守ってくれているけれど、その防波堤の内側も何となく油断のならないサラリーマン生活に戻っていきます。
ひとまず、長かった大人の春休みと夏休みはおしまい。